インドに暮らして想う事。インドでのパン作り

インドに暮らして想う事&インドでのパンの作り方を配信します。

インドでのコロナ対策

死にたいのか?

インドは今年4月よりコロナ変異株の影響で急激に感染拡大を起こし

医療崩壊と言われる状況が続いています。

 

日本の友人や兄弟などから日本に帰ってこないの?って聞かれる。

帰らないと答えると死にたいのか?って言われたけど、

決して死にたい訳ではありません。

 

日本で報道されているニュースを見るとそう言いたくなる気持ちもわかります。

衝撃的な部分のみを切り取ってインド全土で道を歩くと道端に死体が転がっているようなイメージを持たれているようです。

死にたい訳ではないので自分なりのコロナ対策は取っています。

インドでのコロナ対策(自分の個人的見解です)

当然、去年から言われている通り感染予防(手洗い・消毒・マスク・うがい・洗顔)などは行っている。お店のスタッフにも充分注意を促し全員の体温チェックを行い、身近に感染者が出た場合はPCR検査を行って陰性証明を取ってから出勤許可を出す。ホームタウンに帰省していたスタッフもすべてPCR検査の陰性証明を取らすなどの対応はしている。

もし、コロナに感染した場合を考えて免疫力を高める事に力を入れようと考えています。

自分は絶対に罹らないなんて言えない状況にあります。

 

免疫力をアップするために

コロナに特効薬はありません。

感染したら免疫力がコロナに勝つまで熱を冷ましたり、呼吸を少しでも楽にするような手助けをする治療をするだけです。

免疫力を上げる習慣にも心がけています。

1)ストレスを貯めない。

2)充分な睡眠

3)適度な運動

4)適度な日光浴

 

免疫力を上げる食事

1)良質のたんぱく質(肉・玉子・大豆製品・乳製品)を取る

2)抗酸化作用(ビタミンA・C・E)

3)腸内環境を整える発酵食品や食物繊維

 

幸い自分は健康体で持病も無いので免疫力をアップする習慣と食事をすべて満たすように努力しています。

インドでストレスを貯めないと言うのはなかなか難しいですが、なるべく仕事の行き帰りに散歩がてらひと気のない公園などで花や植物、動物などに目を向けてほっとする、心のリセットタイムを作る様にしています。

睡眠時間もぐっすり8時間以上取っています。

 

食事については毎日自炊でどうしても好き嫌いがあってビタミン不足になりがちなので総合ビタミン剤を毎日飲んでいます。

腸内環境を整える様に毎日インドのヨーグルト(ダヒ)に蜂蜜をかけて食べています。

毎日チャイにショウガを入れて飲んでいます。

 

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写真の箱に入ったものがアーユルベーダーのコロニールタブレッド、

一時、コロナに効く薬として売りだされたが、コロナを治す薬とは言えないが免疫力をアップするための天然素材と信じてここ8か月飲み続けています。

右のボトルはイソジンとほぼ同じ成分のうがい薬です。

これは、のどに違和感を感じたりイガイガする時にうがいするようにしています。

下の赤い錠剤が総合ビタミン剤です。

 

備えあれば患いなし

それでも、もし、コロナに感染して熱が出た場合、

自分の今の状況判断が出来るようにパルスオキシメーターを購入しました。

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この%SpO2と言う数値が血中酸素飽和度で通常96~99%でこの数値が90%を下回った場合酸素吸入が必要な状態だという事らしいです。

 

まだまだコロナについては分からない事も多くて

最近の変異株で様態が急変して亡くなられる方は血栓が原因の場合が多いらしい。

コロナに有効だとされるイベルメクチンについて、

色々と調べたり対策を考えながら真剣にコロナに向き合ってインドで頑張っているという事を友人や兄弟などにも知ってもらいたくてここに書きました。

 

 

人命第一を考える政策をとるインド

インドのロックダウンの流れ

1)3月22日 1日だけ外出禁止日

2)3月31日まで延長

3)4月14日まで完全ロックダウン

4)5月3日まで延長(4月14日に発表された内容)

コロナの感染状況を見ながら4月20日以降ロックダウンの規制をエリアごとに緩めるとも発表されました。

この規制を緩めると言うのは経済弱者の生活を守るためだと言う事です。

本日モディー首相が国民に向けて7つの約束を守るように呼びかけがありました。その7つが以下の通りです。

 

(1)家のお年寄りたち、特に慢性疾患のある人に注意を払いましょう「ラクシュマンの結界」を守り外出はしないようにしましょう。

(2)フェイスカバー、マスクを家で自作して使ってください。

(3)AYUSH省(日本の厚生省に近い?)の指示に従いましょう

(4)Arogya Setuモバイルアプリを入れてください。

(5)経済的弱者を気にかけて下さい。食べ物が充分にあるか気にかけてください。

(6)雇用者を守りましょう。

(7)最前線で働いている人々へ敬意を払い協力をしましょう。と言う内容です。

13億人の国民を抱えすべての国民の人命を守ると言う事に特化した内容だと思います。

日本と違う大きな点は事業主などへの国が行う経済支援などの話が全然無い事です。

先ずはすぐに食料に困り生きていけない経済弱者を国民みんなで支えて守ろうと言うのがインドの考え方です。

本日のモディー首相の演説で国の国民に向けた対応というのは病床の確保と物流の確保でした。

ロックダウンの延長については国民のほとんどが予想をしていた事なので大きな驚きも無いように感じます。

モディー首相の演説の話し方や内容を見ても国民の命を最優先に考えていると言うのがちゃんと国民に伝わっている気がします。

でも、本日より4月20日までコロナ患者などを自分のエリアから出さずに規制緩和地区になるように考えてこの1週間はより厳しい規制がされそうで少々怖いです。

 

インドのロックダウンの内容

鉄道、バス、タクシーなどの公共機関の乗り物がすべて停止、

病院、薬局、一部の食料品店など以外はすべて営業停止

基本外出禁止、散歩もダメ、

各交叉点などに警察官が警備をしていて外出している人の取り締まりをしている。

自分の住むグルガオンはマスクの着用義務があり、マスク未着用で外出した場合懲役1か月または200₨の罰金(その両方が科せられる場合もあり)と言う事です。

自分のお店でもお店に入店できるのは1名のみ、その1名が買い物が終わるまで次のお客様は1メートル以上の間隔を空けて外で並んでお待ち頂く、マスク未着用者は入店させない。という決まりが設けられ、それを守っていない場合はシャッターを下ろされ警察に鍵を掛けられ営業停止にさせられる。

外出禁止令により家族にお年寄りなどがいる場合、家族が出勤を認めない。同じ棟に住む住民から外出しないように強く言われる。警察の取り締まりが厳しい為遠方から通勤するのが困難などの理由から営業許可があってもスタッフが通勤して来れないなど色々な支障が生じます。日本の緊急事態宣言とは大きく異なります。

日本の政策は3密を避けるに対してインドは外出するなです。

 

ロックダウン3週間が経過したインドの感染者数

3月22日、外出禁止を打ち出した時点での感染者数は550人程度それが4月14日で1万人を超える数字になりました。

それでもアメリカやヨーロッパなどと比べれば全然少ない方で人口13億人ですから人口比率を考えれば日本よりも充分に少ない人数で治まっていると感じます。

現在自分の住むグルガオン内では32人でここ6日間ほど増えていません。むしろこれからは感染者数よりも回復した人の数の方が増えて行くのではないかと思っています。

現在インドで大きく感染者数を増やしているのは大きなスラム街を抱えるムンバイと地方からの出稼ぎ者が多くいるデリーです。このエリアの対策が出来たらインドは新型コロナウィルスの感染を止められるのではないかと思っています。

後は海外から持ち込まない空港閉鎖処置がいつまで続くか?世界のコロナ感染者の状況を見守ると言う事だと思います。

日本は住所不定の出稼ぎ労働者の大きな街がある訳でもスラム街がある訳でもないので真剣にコロナ対策を取り組めば3週間ほどで終息するはずだと思っています。

 

インドのマスク着用率

インドはPM2.5が世界一でした。そのインドの街中でも今まではマスクを着用しているインド人はあまり見かけなかったです。でも今回はほとんどの人がマスクを着用しています。

マスクの供給に対してもインドは国民を守るために2月からマスクの輸出を停止して海外への持ち出しも禁止にしていました。現在も日本よりもはるかにマスクの購入が容易だと思います。薬局にハンドサニタイザーも並べて販売をしていてコロナに対する警戒心は物凄いものがあると感じます。

 

自分は日本人です。

日本に家族も友人もいます。

日本が好きです。

どうか日本も新型コロナに負けず、この困難な時を真剣に乗り越えてほしいと願っています。

日本の緊急事態宣言とインドのロックダウン

日本とインドはまるで違うコロナ対策

日本では道路に一時停止線を引いてそこで一時停止をしてくださいね。と言う国だけど、インドは道路に凸(山型の出っ張り)を作って強制的に一時停止をさせる国だと言うことが今回のコロナ対策でもはっきり出た気がする。

日本はほとんど自粛要請と国民への理解と協力を訴える一方、

インドは即座にロックダウンをして外出禁止令を打ち出した。

鉄道、タクシー、バスもすべてストップして病院、薬局、食料販売店以外のお店を閉店させた。マンション住まいの人もマンション敷地から出る際はガードマンに許可をもらい途中の警察官などに急用であることを伝えて通行許可をもらわないと自由に町を歩くことが出来ない。当然州が封鎖された状況なので現在自分が住んでいるグルガオンからデリーに行くことが出来ない。日本で言うなら埼玉から東京へ行けない状況になっています。

人の移動と接触を強制的に避けさせる対策がなされている。

 

強制的にロックダウンを実施したインドは人口13億人に対してコロナ感染者は5237人(4月7日現在)であり人口比率でいったら日本よりもずっと少ないと言って良いだろう。

 

人口13億人を抱え貧困層も多くいるインドでコロナが蔓延したことを考えると早急の処置が必要なのであろう。それぞれ国の抱える状況が違うながらも国民の安全と経済を考えて出来る最善を尽くした処置であると思う。

両極端の対策を取る両国の今後のコロナ感染被害と経済へのダメージがどうであったのか見比べたい。

 

外出禁止15日目、現在大きな暴動も無くロックダウンは守られている

地方から都市部への出稼ぎ労働者などが職を失いホームタウンまで数百㎞を歩いて帰る姿などが報道され問題になった。

インドでは経済対策の前に貧困層への対策が早急に必要になる。

すぐさま食料配布などが実施されたが全員に行き渡っているのかは疑問だ。

 

いつもマーケット周辺にも物乞いがたくさん来てお客様に物乞いをするのがとても嫌だったが、今となるとあの人達はどうしているのか心配になる。

 

そんな中、大きな暴動も起こらずロックダウンを継続していける大きな力は国民の80%を占めるヒンドゥー教の宗教的な団結心があるように感じる。モディー首相の演説も宗教に絡めた話が多く、宗教の戒律を守るのと同じように今回の決めごとも守るように話をしている気がする。

先日もモディー首相の演説で4月5日の夜9時に9分間電気を消してキャンドルを灯して団結力を示そうとした。

かなりの確率で参加していたように思う。しかし、少数派ではあるがインド人の中にも今、そんな事をしている場合?食べられなくて餓死しそうな人などがいるのに、そんな事をする意味が見いだせないと言ってボイコットをしたという人も出てきているのも確かだ。

 

このロックダウンが延長されて長引けば長引くほどストレスや不満がたまる人が多く出てくるのも事実であろう。

このロックダウンもいつまでどのように続けられるのか?

この様子もインドで見守って行きたい。

 

 

インドの強み

インドの強みは食料自国供給率が100%だと言う事

宗教的に牛や豚はほとんど食べない。

米、小麦粉、野菜、豆、塩、香辛料、牛乳、玉子、鶏肉があれば朝、昼、晩と困らない。

趣向品として飲むチャイも茶葉は世界生産量1位だし、すべてが輸入に頼らず自国での供給率が100%だと言うことが強みだと思う。

ロックダウン中も営業が許可された食料品店も上記の内容の商品を販売しているお店が営業を許され、物流の通行許可書も優先的におりた。

たとえ空港などが完全に封鎖されて輸入が100%止まっても食べる物には困らないようになっていると言うことが最大の強みだ。

 

 

自分が感じたこのロックダウン2週間

ロックダウンをされてもコロナに感染しなければ死にはしない。

ただ、髪をカットしたい。酒屋が開かないかな?ビールが飲みたい。

デリーに用事があるのにデリーに行けない。

急に身内に何かあっても日本に帰国できない。

もしコロナにでも感染したらインドでどうなるだろう。

急に警察が来てお店を閉店させろなどと言われないだろうか?

スタッフが無事に今日も来てお店を開けられるだろうか?

小さな不満や不安が積み重なることがストレスになっている気がする。

とは言えインドに暮らす人達がみんな我慢しているのだからインドで暮らす以上、この国の決めごとを守ってこの時期を元気に笑顔で過ごせるようにと努めている。

後、一つ素敵な事はインドの空気が澄み、空がとっても青い事。

工場が止まり車の往来が無いとインドもこんなに空が青いとわかった事。

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インドのロックダウンと家出、そして感動。

ロックダウンまでの流れ

 3月19日の午後8時 モディー首相の演説で3月22日は1日間外出禁止日にと発表

 3月22日、23~31日は首都ニューデリー・グルガオンなど感染者が確認された場所の封鎖と外出を原則禁止する事を発表

3月24日 3月25日から4月14日まで3週間インド全土を封鎖することを発表し実質外出禁止となる。

日に日に厳しい状況になる。

営業できるのは病院・薬局・食料品店など限られたお店のみで通常300店舗以上あるローカルマーケットでも開いているのが薬局、八百屋、パン店で5~6店のみ、98%以上のお店が閉店しています。 

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3月24日のモディー首相の演説はインドの80%を占めるヒンドゥー教徒の心を打つような内容だったと思います。ヒンドゥー教聖典である「ラーマヤーナ」の内容から大事な人を守るため家の周りに結界を張り巡らした話を引用して大事な人を守るのはあなた自身です。一歩も外に出ないようにしましょうと言うスピーチを行った。

その演説の内容を受けて営業が可能な食料品店も営業をするのがとても難しくなった。

・家族が外出をして出勤することを反対して親、兄弟の反対で出勤できなくなったスタッフ、

・家の大家さんから同じゲートを通って出入りすることを拒まれたスタッフ、

・それ以前にデリーから出勤していたスタッフもゲート封鎖、メトロストップで通勤出来ない。

・通勤途中で棒を持った警察官に外出するな!家に戻れ!と怒られるのが怖い。

・お客様もドライバーが居ない。敷地内から出られない。途中で警官に行き先を度々聞かれ注意を受ける。などの影響で遠方からの買い物が難しくなり、お客様の来店数が大幅に減る。

などの影響でお店の営業が難しくなる。

 

家出をする。

 自分の住んでいる家も3階建ての3階部分を借りて暮らしているのですが、2階、1階の住人達から毎日出勤して同じゲート・玄関から出入りする事を拒まれた。

あなたは食料品を製造販売して出勤しなくてはならない事情も分かるが、自分たちも大事な家族を守らなくてはならない。敷地内にウィルスを持ち込む原因になることは絶対に認められない!というのが住人の言い分。24日のモディー首相の演説内容を考えると住人たちの言い分もわかる。自分が毎日出勤することで住人達を不安な気持ちにさせる事も間違いない事実だ。

26日の朝、必要な荷物をまとめてしばらくホテル住まいをする事にする。

ホテルもネット予約は出来ず、直接ホテルのフロントへ行ってオーナーに電話を繋いでもらって交渉してホテルの宿泊も許可されると言う状況です。

首都の封鎖は前もって予想されていたのでデリー在住の主要メンバー2名をホテルに住んでもらっていたのでその2名のスタッフと同じフロアーで生活してます。

お店から徒歩2分の新しいホテルで以外に快適です。

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食料品店営業許可内容

 お店を開けていると警察官の見回りが来ます。

販売している商品内容のチェックと指導があります。

営業条件として

  • 店内にいるスタッフはもちろんお客様もすべてマスクを着用している事。
  • お客様は1人ずつ店内に入って頂く事(ご夫婦・家族であっても同時入店不可)
  • 2人目以上のお客様はお店の前で1メートル以上の間隔を取って並んでお待ち頂く事。

以上の条件が守られていない場合は即刻シャッターを下ろされ、警察がシャッターを封印すると言う事です。

 

こんなに厳しい条件を設けて本気で新型コロナウィルスの感染拡大阻止に取り組んでいるインドの現在(3月31日)の感染者数は人口13億人に対して1365人。お店のあるハリヤナ州においては36人程度で充分日本よりも安全と言えるレベルだと思います。

インドから日本を見ていると大丈夫?って心配になる。

確かにやり過ぎじゃない?っていう声もあるけど、今回は新型コロナウィルスと言う事で誰もこの正体を知っている人が居ない。Evidenceが無い。この状況下ではやり過ぎぐらいにしてすべてに警戒してEvidencわかってきたところから少しずつ規制を緩めていくと言うのが正しい判断なのかもしれないと思います。

でも、今後の経済面での後遺症が出てくることは必至です。

そこをどうやって乗り越えていくのが今後のインドの課題だと思っています。

100年に一度と言われる、将来教科書に載るようなこの状況をインドで経験しているのだからこの目でしっかりと状況を見て脳裏に焼き付けたい。

 

感動

 こんな状況下でお店を開けているとたくさんの感動もあります。

徒歩で30分とか1時間かけてお店に来て頂くお客様もいる。

挙句に外で並んで待って頂き、帰りにお店を開けて頂いてありがとう!頑張ってくださいね!って声をかけて頂ける。

たくさんの方々からメッセージも頂きここが開いていると思うだけで幸せな気持ちになれます。今は買いに行けないけれどもロックダウンが解除されたら絶対に行きます!頑張ってください。このお店が開いていると言う事が我々日本人の希望の光です。と言ってくださる方々がいる。

韓国人のお客様もライングループで連絡を取り合ってここが開いていると言う情報をもとにたくさん来てくれます。ちゃんとルールを守って並んでくださりお店を開けてくださってありがとう!買い物ができて幸せです!って言ってくださる。

それにデリー在住のスタッフも家にしばらく帰れない事を覚悟の上でホテルに泊まり込んで毎日お店を開けてくれる。マネージャーも家族を説得して毎日通勤してくれる。

こんなお客様とスタッフに支えられてお店を開ける事が出来ています。

 

日系の企業やレストランなども営業する事すらできず不安な日々を送っておられると思います。そんな中でお店を開け続けられることに感謝しています。

インド人のお客様向けどら焼き製造

インドではドラえもんが大人気

ローカルマーケットでは顔のバランスの悪いヘンテコリンなドラえもんのお人形も売られています。

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※このドラえもんはかなりまともです(腕が動くだけでActionFigureと書いてあります)

ドラえもんが食べているどら焼き(Dora Cake)ってどんな食べ物?って興味を持っているインド人が非常に多い。

だけどデリー・グルガオン近辺に暮らす人達に餡子はいまいち人気が無い。

小豆はカレーに入れておかずとして香辛料を入れて食べるもので

甘い豆など受け付けないと言う人が多い様です。

 

そこでどら焼きの皮にチョコレートクリームをサンドして試食をしてもらったけど・・

甘さが足りないと言われた。

どら焼きの皮の糖分を増やすと焼いている時に焦げてしまう。

そして思い付いたのがどら焼きの皮にシロップを染みこませてからチョコレートクリームをサンドしたらこれは美味しいと言って頂けた。

 

う~ん、もはやこれはどら焼きとは言えない食べ物だ。

 

インドでインド人の方々と日本人のお客様の両方を満足させるのは難しい!と実感した瞬間でもありました。

 

そして懲りずに桜餅もインド人向けの日本食イベント用に作った事もありました。

どうも餡子だけで無くお餅も苦手というインド人が非常に多い。

 

そういえばインドのお米もパサパサ・ポロポロだし、インドの食パンもボソボソだし、もっちりと言う食感はあまり食べ慣れていないかも?

 

桜餅=これはインド人大衆には受け入れられないとはっきり言われた。

 

その後もお客様から頂いた赤福ういろうなどうちのスタッフにも勧めてみたがやっぱり反応が悪い。

 

色々と嫌われながらもそのうちインド人のお客様が並んで買いに来る様なものを開発したいと密かに思っています。

 

 

 

妻が癌になりました。

日本ではごく普通に会社勤めをして管理職として仕事をし、妻とも喧嘩をすることもなくごく普通に夫婦生活を送っていて、何か不自由な事があったかいと言うとそんなこともなく、妻と一緒になって30年の時が過ぎた頃、

インドで仕事をしてみないかという話を頂いて、

今まで自分のやってきたキャリアが海外で通用するのか?

まだ元気で働ける今のうちに一度海外で仕事をしてみたい。

日本のパンやお菓子をインドの人達に伝えたい。

日本のパンやお菓子を作れる職人さんを育ててみたい。

 

そんな気持ちを抑えられなくなり妻に相談をして快くインドに送り出してくれて応援をしていてくれた。

 

インドに渡り丁度6年が過ぎた今年の12月、妻から肝臓に癌が見つかったので手術が必要になったと連絡が入った。

 

その話を聞いていろいろと今までの事を思いだしてなんとも言えぬ気持ちになった。

罪悪感に似た気持ちかもしれない。

サンドゥグジュベリの星の王子さまが自分の星に一本のバラを置いて地球に来た時に地球でたくさんのきれいなバラを見たけれど、

自分と一緒の時間を過ごしたあのバラが自分にとっては特別なバラで唯一のバラの花だと気づいたように・・

まさに自分にとっても特別な大事な存在であって、遠く離れていても妻がいてくれるからこそインドで自分は仕事が頑張れていると言う事を改めて感じた。

12月21日の夜の便で日本に向かい22日の昼過ぎには病院に到着した。

病室のベットに横になっている妻は心なしか弱弱しく感じた。

癌は幸いにもステージ2のレベルだが癌の場所が奥深く、切り取るのが難しいかもしれない。

もし切り出すことが出来なければそのまま切り取らずに傷口を縫い合わせて抗がん剤治療を行わなくてはならないそうだ。

 

翌日、23日の朝一番からの手術と言う事で8時前に病室に向かった。

8時40分にベットに寝たままの状態で手を振りながら手術室に向かっていく妻を祈るような気持ちで見送る。

何かあったらすぐに連絡をするのでここでお待ちくださいと言われ待合室で待っている時間はなんとも長く感じた。

午後3時に漸く手術が無事に終わったとの連絡があり、先生の話を聞けた。

無事に癌は全部取り除けたので問題ないとの事で、切り取った肝臓の写真を見せてもらった。切り取った肝臓の一部に黒い腫瘍があった。

午後4時に麻酔から覚めた妻がベットのまま病室に戻ってきた。

酸素マスクをつけたままで意識はもうろうとしているものの呼びかけにはちゃんと答えられる。そのまま今日は休んだ方が良いと言う事でそのまま寝た姿を見て少し安心した。

24日、面会時間に病室に向かうと麻酔が完全に切れて傷口はかなり痛むようだが朝から看護師さんに抱えられながら歩行練習をしたそうだ。

 

こんな状態にありながらもインドのお店もクリスマスイブで一番忙しい時期。

忙しい時期に自分が日本に戻ってしまった事も気になっていた。

メッセンジャーを開くとサンタクロースの帽子を被ったスタッフ達の写真と一緒にたくさんのメッセージがありました。

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奥様の手術はどうでしたか?

私たちの願いはあなたの奥様の手術が成功して早く回復する事です。

私たちは彼女に最大の祈りを捧げます。

という言葉が添えられていました。

 

自分と一緒にずっと5年以上働いてくれている。

製造のシェフにも忙しい時に居なかったけど、よく頑張ってくれた。ありがとう。おかげで妻の手術は成功したよとメッセージを送ったら、

thanks to chef it's my pleasure we putting all our efforts. I am happy for your wife for a successful operation I will pray God give her long and happy life

と返事が返ってきた。

 

こんな状況の中でも妻の手術が成功してくれた事。

そしてクリスマスの一番忙しい時期に自分が居なくてもみんな精一杯頑張ってくれたインドのスタッフ達が少し誇りに思えた事

この2つが自分にとってのクリスマスプレゼントだったのかもしれない。

 

妻は気丈にも毎日リハビリを続けていて、後10日程で退院できるだろうとの事。

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病院の待合室に飾られたクリスマスツリー

23日はこのツリーを眺めながら祈るような気持ちで6時間手術が終わるのを待っていました。

 

 

マンゴーで天然酵母を作る。そしてパンも作る。

せっかくインドにいるのだからインドのマンゴーでマンゴー酵母を作ってパンを作ってみたい!

と言う事でやってみました。

今回色々とマンゴーを試食してマンゴー酵母に良いのでは?と選んだ品種がシンドリ「Sindhri」と言うマンゴーを選びました。

味が濃厚で甘味も酸味も強いマンゴーです。

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緑色をしていますがこれで熟しています。

 

マンゴー酵母の作り方

1)まずは酵母を作る容器を熱湯消毒します。

大きな鍋にお湯を沸かしてその中に蓋とビンを入れて数分沸かします。

その後自然乾燥させたビンを使います。

 

2)お水は濾過器を通した水を一回沸騰させてその水を常温まで冷ましてから使用します。

 

3)マンゴーはざっと汚れをふき取る程度で大丈夫です。

その後皮ごと細かく切ってビンに入れます。

 

マンゴー酵母の仕込み

マンゴー100g(皮つき)

水   300g(沸騰させて常温まで冷ました水)

砂糖 大さじ 1杯程度(使うマンゴーの糖度によって変更)

以上をビンに入れて発酵を待つのみです。

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仕込み当日

 

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仕込みから1日経過。マンゴーが浮かんできました。

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仕込みから2日経過。細かい泡が出てきました。

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仕込みから3日経過。細かい泡がたくさん出てきました。

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仕込みから4日経過。香りは果実酒のようです。

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仕込みから5日経過。ほぼ完成です。このあと冷蔵庫へ保管しました。

※仕込みから5日ほどで出来ましたが気温により変わると思います。         

※1日に一回蓋を開けて空気を入れてあげる事だけは欠かさず行いました。


 

パン生地の仕込み

冷蔵庫で1日休ませたマンゴー酵母を茶漉しでこした

マンゴー酵母 150g

Atta(チャパティーの粉) 50g

これをホイッパーで混ぜて一晩発酵させます。

 

一晩発酵させた生地に

Atta 200g

マイダ(ナンの粉)250g

ロックソルト 10g

モルトパウダー 1g

マンゴー酵母50g

水 105g

バター 10g

これをミキシングして生地をこねます。

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捏ね上がった生地の状態です。

4時間30分発酵させて

生地を分割(2等分)して成形

その後45分発酵(38℃で)

その後クープ(切り目を入れて焼成

焼成温度210度で26分

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出来あがったパンです。ドイツパンのように爽やかな酸味のあるパンです。

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切ってみました。

Atta(チャパティーを作る全粒粉)をミックスする事でライ麦パンの様な食感になりました。

爽やかな酸味があって風味豊かなドイツパンを食べているようで美味しかったです。