日本の緊急事態宣言とインドのロックダウン
日本とインドはまるで違うコロナ対策
日本では道路に一時停止線を引いてそこで一時停止をしてくださいね。と言う国だけど、インドは道路に凸(山型の出っ張り)を作って強制的に一時停止をさせる国だと言うことが今回のコロナ対策でもはっきり出た気がする。
日本はほとんど自粛要請と国民への理解と協力を訴える一方、
インドは即座にロックダウンをして外出禁止令を打ち出した。
鉄道、タクシー、バスもすべてストップして病院、薬局、食料販売店以外のお店を閉店させた。マンション住まいの人もマンション敷地から出る際はガードマンに許可をもらい途中の警察官などに急用であることを伝えて通行許可をもらわないと自由に町を歩くことが出来ない。当然州が封鎖された状況なので現在自分が住んでいるグルガオンからデリーに行くことが出来ない。日本で言うなら埼玉から東京へ行けない状況になっています。
人の移動と接触を強制的に避けさせる対策がなされている。
強制的にロックダウンを実施したインドは人口13億人に対してコロナ感染者は5237人(4月7日現在)であり人口比率でいったら日本よりもずっと少ないと言って良いだろう。
人口13億人を抱え貧困層も多くいるインドでコロナが蔓延したことを考えると早急の処置が必要なのであろう。それぞれ国の抱える状況が違うながらも国民の安全と経済を考えて出来る最善を尽くした処置であると思う。
両極端の対策を取る両国の今後のコロナ感染被害と経済へのダメージがどうであったのか見比べたい。
外出禁止15日目、現在大きな暴動も無くロックダウンは守られている
地方から都市部への出稼ぎ労働者などが職を失いホームタウンまで数百㎞を歩いて帰る姿などが報道され問題になった。
インドでは経済対策の前に貧困層への対策が早急に必要になる。
すぐさま食料配布などが実施されたが全員に行き渡っているのかは疑問だ。
いつもマーケット周辺にも物乞いがたくさん来てお客様に物乞いをするのがとても嫌だったが、今となるとあの人達はどうしているのか心配になる。
そんな中、大きな暴動も起こらずロックダウンを継続していける大きな力は国民の80%を占めるヒンドゥー教の宗教的な団結心があるように感じる。モディー首相の演説も宗教に絡めた話が多く、宗教の戒律を守るのと同じように今回の決めごとも守るように話をしている気がする。
先日もモディー首相の演説で4月5日の夜9時に9分間電気を消してキャンドルを灯して団結力を示そうとした。
かなりの確率で参加していたように思う。しかし、少数派ではあるがインド人の中にも今、そんな事をしている場合?食べられなくて餓死しそうな人などがいるのに、そんな事をする意味が見いだせないと言ってボイコットをしたという人も出てきているのも確かだ。
このロックダウンが延長されて長引けば長引くほどストレスや不満がたまる人が多く出てくるのも事実であろう。
このロックダウンもいつまでどのように続けられるのか?
この様子もインドで見守って行きたい。
インドの強み
インドの強みは食料自国供給率が100%だと言う事
宗教的に牛や豚はほとんど食べない。
米、小麦粉、野菜、豆、塩、香辛料、牛乳、玉子、鶏肉があれば朝、昼、晩と困らない。
趣向品として飲むチャイも茶葉は世界生産量1位だし、すべてが輸入に頼らず自国での供給率が100%だと言うことが強みだと思う。
ロックダウン中も営業が許可された食料品店も上記の内容の商品を販売しているお店が営業を許され、物流の通行許可書も優先的におりた。
たとえ空港などが完全に封鎖されて輸入が100%止まっても食べる物には困らないようになっていると言うことが最大の強みだ。
自分が感じたこのロックダウン2週間
ロックダウンをされてもコロナに感染しなければ死にはしない。
ただ、髪をカットしたい。酒屋が開かないかな?ビールが飲みたい。
デリーに用事があるのにデリーに行けない。
急に身内に何かあっても日本に帰国できない。
もしコロナにでも感染したらインドでどうなるだろう。
急に警察が来てお店を閉店させろなどと言われないだろうか?
スタッフが無事に今日も来てお店を開けられるだろうか?
小さな不満や不安が積み重なることがストレスになっている気がする。
とは言えインドに暮らす人達がみんな我慢しているのだからインドで暮らす以上、この国の決めごとを守ってこの時期を元気に笑顔で過ごせるようにと努めている。
後、一つ素敵な事はインドの空気が澄み、空がとっても青い事。
工場が止まり車の往来が無いとインドもこんなに空が青いとわかった事。